玉手箱

 

あれは確か四月の初め頃だったと思う。

花見がてら散歩に行った。
僕が住む町にもきれいに咲いた。

毎年思うがやはり桜はいいものだなと思いながら
満開の桜を愛でる。

散歩から帰ってきて
ふと、カレンダーに目をやると
なんと5月になっているではないか。

散歩に出かけて家に帰ってくるまでの
一ヶ月間の記憶がいっさい無く、プチ浦島太郎状態だった。
それを証拠にその間、ブログが更新されていないでは無いか。
きっと何者かに連れ去られて、その間の記憶を消去されたに違いなかった。

不思議だなと首をひねりつつ、ゴールデンウィークに突入。
そして今朝、僕の部屋のチャイムを鳴らすものがいた。
朝早くに誰だろうと思い、少し訝しげにドアを開ける。

そこには作業服に帽子を深く被った男が立っていた。
どうやら荷物の配達員だったらしく受け取りの署名を求めてきた。
僕はその配達員からをペン借り、一気に書き上げると
ペンと引き替えに荷物を受け取った。

その荷物は雑誌を見開いた状態より一回りくらい大きく、
厚さは手で掴む事が出来るくらいの段ボールだった。
大きさの割には軽く、容易に抱えることが出来た。
僕はそれをテーブルの上に置きしばらく思考を巡らせた。

「これはいったい何だろう?」

箱に目をやると、なにやら暗号の様な文字列を発見した。
それは全てアルファベットで記されており
こう書いてあった。僕は口に出して読み上げた。

「エム・エイ・シイ」

さっぱり分からなかった。このアルファベットが何を指すものなのか、
誰かの名前なのだろうか?、それとも何かの頭文字なのだろうか?
まだ暗号は続く。再び読み上げて見る。

「ビー・オー・オー・ケー」

謎は深まるばかりだった。
最後の文字はこうだった。

「ピー・アール・オー」
これで最後だ。

僕は順にこれらの文字列を並べてみることにした。

「M・A・C・B・O・O・K・P・R・O」

僕はこの文字列を見たときに記憶の奥がくすぐられるような感覚を覚えた。

「これはどこかで見たような・・・そうか分かったぞ!」

「MAC・BOOK・PRO!」

僕はすべてを思い出した。
きょう届いたMacBook Proは僕が先日Apple Storeで注文した事や
一ヶ月間ブログの更新が無かったのは忙しさにかまけていたからだった。

そして、ようやく記憶を取り戻した僕は
この箱は配達員によって届けられた玉手箱であるということを理解した。
しかし、誰が何のために僕の記憶を一ヶ月間消したのかは
いまだに分からない。

 
 
 

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