夏を見送る

 

先日、公園に行くと三匹の猫がそれぞれの顔を見合わせるように輪になって座っておりました。
めずらしい光景だなと思って見ていると、彼らの視線は何かをうかがうように輪の中心に注がれています。
不思議に思い、その視線をたどっていくと、そこには何かがいてときどきバサバサッと動く。
よく見るとそれは力尽きた蝉でした。

何年も地中で過ごした蝉の寿命は約一週間。
思い残すことなく夏を謳歌し、自分の生を全うした蝉。
飛ぶ力さえも残らないくらいに夏を歌い続けた蝉が今こうして静かに息を引き取ろうとしている。
その蝉を看取るように見つめる三匹の猫。
その蝉は最後の力を振り絞りもう一度飛ぼうとするが、むなしくその場で回転するだけ。

そんな蝉に、猫パンチ!

いや……。猫よ。それはあんまりじゃないか。

蝉はもう一度飛びたいのです、青い空を。
歌いたいのです、力いっぱい。
もう一度、力を振り絞り、飛ぼうとする蝉。

でも、猫パンチ!

あらら、やめてあげて……。

バサバサバサッ

やっぱり、パンチ!

バサバサッ

パンチ! パンチ!

バサッ

ガブッ!! 

とうとう一匹の猫が蝉をくわえて走り去っていった!
無邪気にそれを追う二匹の猫。
それらを見送る僕。

……。

夏が折り返しはじめましたね。

 
 
 

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